冬が近づくと、イワタニカセットガス暖房機シリーズの違いが気になって、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。
気になるポイントがたくさんあると思います。
この記事では、イワタニの主要4機種(デカ暖III・風暖・マイ暖・マル暖)を中心に、それぞれの違いや向いているシーンを丁寧に整理していきます。
「自分の家にはどの一台がベストか」がぐっとイメージしやすくなりますよ。
イワタニ4機種の特徴を徹底比較
イワタニのカセットガス暖房機シリーズ4機種の違いを見ていきます。
スペックの数字だけでなく、実際の使い心地や向いているシーンも含めて整理していきますね。
【パワー重視】デカ暖III – 小型石油ストーブ級の暖かさ
デカ暖IIIは、イワタニカセットガス暖房機シリーズの中でも「パワーと静かさのバランス」に優れたモデルです。
サイズは小型石油ストーブに近いイメージですが、最大発熱量は約1.35kWとしっかり目の出力がありますよ。
| 最大発熱量 | 約1.35kW(約1,150kcal/h相当) |
|---|---|
| 連続燃焼時間 | 約2時間30分(強運転時の目安) |
| 本体サイズ | 約361×311×370mm |
| 重量 | 約4.3kg(ボンベ含まず) |
| 暖房の目安 | 木造4畳まで コンクリート5畳まで |
デカ暖IIIの一番の特徴は、独自の「熱溜め燃焼筒」構造で、ストーブ前がかなりしっかり暖かくなるところです。
中心のセラミック筒と、その周りを囲む金属メッシュで熱を溜め込み、前方にじんわり放射するイメージですね。
静かさと暖かさのバランスを重視するなら、デカ暖IIIはかなり有力候補ですね。
【速暖・広範囲】風暖 – 発電式ファンヒーター
風暖は、ちょっとメカ好きな人の心をくすぐるモデルです。
カセットガスの燃焼熱から電気を作る「熱電発電素子」を搭載していて、その電力でファンを回し、温風を送り出します。
電池も電源コードもいらないのに、ファンヒーターとして使えるのが大きな魅力ですね。
| 最大発熱量 | 約2.0kW(約1,720kcal/h相当) |
|---|---|
| 連続燃焼時間 | 標準:約1時間40分 弱:約2時間30分 |
| 本体サイズ | 約319×260×438mm |
| 重量 | 約4.7kg(ボンベ含まず) |
| 暖房の目安 | 木造5畳まで コンクリート7畳まで |
実際のイメージとしては、「電源いらずの石油ファンヒーターのような存在」です。
温風が前方にしっかり出るので、ストーブから多少離れていても暖かさを感じやすく、リビングなどで家族みんなで使うのに向いていますね。
一方で、ファンが回る分だけ音は出るので、寝室や静かな在宅ワーク用には少し気になる場合もあるかなと感じます。
リビングでテレビを見たり家族で話している環境なら、そこまで大きなストレスにはなりにくい印象です。
【軽量・省エネ】マイ暖 – 持ち運び最強モデル
マイ暖は、4機種の中で最も軽量でコンパクトなモデルです。
本体重量は約2.6kgととても軽く、見た目もかわいらしいサイズ感。
輻射式のセラミックバーナーを採用していて、点火してから約1分ほどでじんわり暖かさを感じられます。
| 最大発熱量 | 約1.0kW(約900kcal/h相当) |
|---|---|
| 連続燃焼時間 | 標準:約3時間20分 弱:約3時間55分 |
| 本体サイズ | 約312×222×290mm |
| 重量 | 約2.6kg(ボンベ含まず) |
| 暖房の目安 | 木造3畳まで コンクリート4畳まで |
「足元や手元だけ、サッと暖めたい」というシーンでは、マイ暖が一番使いやすいと感じます。
椅子の下やデスク横、脱衣所などにちょこっと置いて、短時間だけ使うようなイメージですね。
個人的には、寝室・子ども部屋・書斎・脱衣所など「小さめの空間用サブ暖房」としてとても相性が良いモデルだと思いますよ。
【万能型】マル暖 – 屋内外&調理もできる
マル暖は、イワタニカセットガス暖房機シリーズの中でもちょっと特別な存在で、屋内外兼用として設計されたモデルです。
暖房だけでなく、天板にやかんを置いてお湯を沸かせるのも特徴です。
キャンプやベランダ時間のお供としても頼りになりますね。
| 最大発熱量 | 約2.09kW(約1,800kcal/h相当) |
|---|---|
| 連続燃焼時間 | 約1時間40分 |
| 本体サイズ | 約343×368×382mm |
| 重量 | 約4.5kg(ボンベ含まず) |
| 暖房の目安(屋内) | 木造5畳まで コンクリート7畳まで |
マル暖は火力が強く、独自のバーナー構造で対流も起こしやすいので、室内で使っても屋外で使っても、しっかり暖かさを感じやすいモデルです。
見た目もレトロな石油ストーブ風で、インテリア性を重視したい方にも人気があります。
そのぶん、燃焼時間は約1時間40分とやや短めなので、「短時間でもいいから、とにかくパワフルに」という使い方に向いています。
長時間つけっぱなしにするより、使う時間を決めてオンオフするイメージですね。
シーン別おすすめモデル診断
同じイワタニカセットガス暖房機でも、使う場所や目的によって「ベストな一台」は変わってきます。
ここからは、よくあるシーン別におすすめモデルを診断していきます。
あなたの使いたい場所をイメージしながら読んでみてくださいね。
【寝室・子供部屋】朝の着替え時に使うなら → マイ暖
寝室や子ども部屋は、それほど広くないことが多く、静かさも大事なポイントですよね。
朝の着替えタイムや子どもの支度前後だけサッと暖めたいなら、マイ暖がまず第一候補になります。
ただし、寝室での使用時は必ずこまめな換気が前提です。
就寝中のつけっぱなしは、一酸化炭素中毒のリスクが高くなるので避けた方が安心です。
短時間だけ使って消す、というスタイルにしてくださいね。
子ども部屋で使う場合は、
など、安全面の配慮もあわせて考えてあげるのがいいかなと。
【リビング】家族で暖まるなら → 風暖かデカ暖III
家族が集まるリビングでは、「部屋のどこにいてもある程度暖かい」ことが大事ですよね。
この場合、風暖かデカ暖IIIが候補になります。
リビングが広い場合は、「メインのエアコン+イワタニのカセットガス暖房機で足元を補助」という組み合わせもおすすめですよ。
【脱衣所・トイレ】ヒートショック対策なら → 小型で立ち上がりの早いモデル
冬場の脱衣所やトイレは、ヒートショック対策の観点からも暖房があるとめっちゃ安心です。
ただし、スペースが狭いことが多いので、小型で立ち上がりの早いモデルが向いています。
たとえば、朝の入浴前にマイ暖を脱衣所に持ち込んで、浴室に入る10〜15分前からつけておくと、体感温度のギャップをかなり軽減できますよ。
短時間だけ使うので、燃料コスト的にもそこまで負担にはなりにくい印象です。
ただし、脱衣所やトイレはどうしても換気がしづらい空間になりがち。
など、必ず換気とセットで使うようにしてくださいね。
【書斎・在宅ワーク】足元暖房として → マイ暖
書斎や在宅ワーク用のデスク周りでは、「足元が冷えて集中できない…」というお悩みが多いですよね。
そんなシーンでは、マイ暖一択と言っていいくらい相性が良いと感じています。
エアコンだとどうしても足元が冷えがち。
マイ暖なら足元を温めつつ、エアコンで室温をキープという組み合わせにすると、快適度がグッと上がりますよ。
【キャンプ・アウトドア】冬キャンプで使うなら → マル暖
冬キャンプでイワタニカセットガス暖房機を検討している方も多いと思います。
屋外で使う前提なら、屋内外兼用のマル暖がもっとも扱いやすいモデルです。
ただし、テント内や車内での使用は原則NGと考えてください。
どのモデルも、一酸化炭素中毒や火災のリスクが高いため、密閉空間での使用は推奨されていません。
テント外やタープ下など、換気の十分取れる場所で、安全に配慮しながら使うようにしましょう。
【車中泊】車内で使える? → どのモデルもリスク有り
結論から言うと、車内での使用はどのモデルでもおすすめできません。
理由はシンプルで、「狭い密閉空間のため、一酸化炭素中毒のリスクが一気に高くなる」からです。
車中泊の防寒対策としては、断熱対策・寝袋・湯たんぽ・電気毛布(ポータブル電源併用)など、燃焼を伴わない方法を組み合わせる方が現実的で安全です。

どうしても使う場合は、徹底した換気やCOチェッカーの設置を使うなど、安全第一でお願いします。
【防災備蓄】非常時のために備えるなら → マイ暖かデカ暖III
停電時や災害時の非常用暖房としても、イワタニカセットガス暖房機シリーズは心強い存在です。
防災目的で一台用意しておくなら、マイ暖かデカ暖IIIあたりがバランスが良いかなと。
マイ暖は連続燃焼時間が長めで、燃費が良いのが強み。
一方、デカ暖IIIは暖房力が高いので、短時間で体をしっかり温めたいときに向いています。
どちらにしても、カセットガスの備蓄本数を事前に決めておくと安心です。
冬場に何日分使いたいかイメージしながら、少し余裕を持ってストックしておきましょう。
知っておきたい使用上の注意点
どのモデルを選ぶにしても、燃焼系の暖房器具である以上、注意してほしいポイントがいくつかあります。
ここでは、一酸化炭素中毒・低温時の使用・カセットガスの保管方法について、整理しておきますね。
一酸化炭素中毒のリスク
カセットガス暖房機は、使用中に酸素を消費し、一酸化炭素(CO)を含む排気ガスを発生させます。
イワタニの各モデルには、不完全燃焼防止装置が搭載されています。
でも、不完全燃焼防止装置があるからといって、一酸化炭素中毒が完全に防げるわけではありません。
一酸化炭素は無色・無臭なので、自分の感覚だけで気づくのは難しいです。
「換気しすぎかな?」くらいの気持ちで空気を入れ替えることを、ぜひ習慣にしてくださいね。
低温時の使用制限
カセットガス暖房機では、カセットボンベ内部の液化ブタンガスが気化することで圧力が生まれ、そのガスを燃焼させて暖房します。
そのため、気温が低くなるほどガスが気化しづらくなり、火力が落ちやすくなるという性質があります。
少しでも火力を安定させたい場合は、事前にガス缶を室内の暖かい場所に置いておくのがいいです。
また、本体の周りを風から守るなどの工夫が有効な場合もあります。
ただし、ガス缶をストーブの上などで直接温めるのは、危険なので絶対にNGです。
カセットガスの保管方法
最後に、カセットガスボンベの保管についても触れておきます。
暖房機本体だけでなく、燃料の扱い方も安全性に直結する部分です。
缶が錆びていたり、変形しているものは無理に使わず、安全のため処分を検討してください。
処分方法は自治体によって異なるので、お住まいの自治体のルールに従ってくださいね。
イワタニのカセットガス暖房機によくある質問まとめ
ここからは、イワタニカセットガス暖房機の違いを検討している方からよく聞かれる質問を、Q&A形式でまとめていきます。気になるところをチェックしてみてください。
- Q.1カセットボンベ1本あたりの使用時間?
- A
カセットボンベ1本あたりの使用時間は、モデルや火力設定によって変わります。
あくまで一般的な目安としては、「1.5〜3時間前後」と考えておくとイメージしやすいです。
- マイ暖 → 標準で約3時間20分、弱で約3時間55分
- デカ暖III → 約2時間30分
- 風暖 → 標準で約1時間40分、弱で約2時間30分
- マル暖 → 約1時間40分
出力が高いモデルほど暖かい反面、燃焼時間は短くなります。
「どれくらいの時間を、どのくらいの暖かさで使いたいか」を考えながらモデルを選ぶのがおすすめです。
- Q.2音はうるさい?
- A
音に関しては、モデルによってかなり違いがあります。
- マイ暖・デカ暖III・マル暖:輻射式なので、基本的には点火時の「カチッ」という音と、燃焼音がありますが、全体的に静か
- 風暖:ファンが回るので、温風が出ている間はモーター音・風切り音が聞こえる
寝室や極力静かな環境で使いたいなら、マイ暖・デカ暖III・マル暖のような輻射式がおすすめです。
リビングや人が集まる場所なら、風暖のファン音もそれほど気にならないことが多いかなと。
- Q.3寒冷地でも使える?
- A
寒冷地での使用も「まったく使えない」というわけではありませんが、前述の通りカセットガスは低温に弱いという性質があります。
- 氷点下に近い環境では、ガス圧が下がって火力が落ちやすい
- 屋外の強い冷え+風が加わると、さらに体感温度が下がる
- マル暖や風暖のような高出力モデルでも、真冬の屋外では「思ったほど暖かくない」と感じる場合がある
寒冷地で本格的に使うなら、「屋内でのサブ暖房」「エアコン・石油暖房との併用」として考えておく方が現実的です。
どうしても外で使いたい場合は、風よけを工夫したり、ガス缶を事前に暖かい場所に置いておくなど、できる範囲の工夫をしてみてください。
まとめ:イワタニのカセットガス暖房機は用途で選べば失敗なし!
この記事ではイワタニカセットガス暖房機の違いをまとめました。
ポイントを一言でまとめると、「どのモデルも良いけれど、活きる場所がそれぞれ違う」ということ。
あなたの暮らし方や家族構成に合った一台を選べば、カセットガス暖房機はきっと冬の心強いパートナーになってくれるでしょう。
この記事があなたの背中を、少しでもやさしく押せていたらうれしいです。





